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AFTER CHERENKOV  Fulldome projection  (34'50) 2016

監督・撮影・編集 / 飯田将茂
振付 / 黒田なつ子
出演 / 奥野美和、水島晃太郎、村瀬瑠美、菅彩美、樋浦瞳
衣装・ボディペイントデザイン / 田村香織
ボディペイント・ヘアメイク / maity
音楽 / 林文彦
VFX / 三上真世
サウンドマスタリング / STUDIO ARM


 文明を発達させた人類の根源的な衝動として、自然界に対する接触の願望や制御の欲求は、遥か古代の儀式においてはタトゥーに託されたという説があります。原子核の分裂を制御し、エネルギーを取り出すという文明的に高度な状態に至ってもなお、それらは古来脈々と続けられてきた儀式の延長として、人類の衝動をその根底に認めることも不可能ではありません。生物の発生や増殖がごく自然的であるのに対し、これら人間の営みは創造的であり、不完全です。この数年、天災という自然の脅威と、人災という儀式の不完全さを痛感する出来事が多くありました。これらをきっかけに、人間の創造性について自身の経験を基にしながら制作したのが「AFTER CHERENKOV」です。
 昨年と一昨年、放射線の飛散により立ち入りが制限された地域を訪れる機会がありました。見た目には何も変わらない大気を前に、定められた場所で白い防護服を順番に着用し、どんなに暑くてもそれを脱ぐべきではない状況は、誤解を恐れずに言えば、どこか神聖な手順を踏んでいるような趣がありました。 故郷を離れなければならなかった方々の無念を想像する一方、人の営みが中断したその地域では、動植物が勢いを取り戻し、防護服の中で呼吸を繰り返す自らと彼らとが、生物として同質に対峙しているような緊張感があります。それは、放射線という目に見えない異界を想像し、その状況を介して接触し得たような妙に厳かな体験でした。
 人間を指して、本能が壊れた生物ということがあります。故に我々は創造力を獲得したのですが、この本能という野生に創造を通して接近したいという欲求があります。今回、その可能性を私は踊りの中に探し、それらをプラネタリウムという異界の暗闇に浮かぶ幻覚のような身体に託しました。それは、古代人が洞窟の奥深くで感覚を尖がらせ、目に見えない世界との接触のうちにイメージを求めた衝動の延長を想定するものであり、野生に対する欠乏感のもと、不完全な創造によってその情熱を呼び覚まそうというものです。























































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